草加市で相続した不動産の売却を考える際には、売却益に対して相続税や譲渡所得税といった税金が課税される可能性や対策についても検討しなければなりません。
親の死などによって相続した不動産を売却する場合、特に考えるべき税金として「相続税」と「譲渡所得税」の2種類があります。
相続税は受け取った不動産の価値に応じてかかる税金であり、不動産を売却しなくても相続することによって発生する点が特徴です。一方、譲渡所得税は売却した不動産によって得られた「利益」に対して課税される税金です。
相続税は、故人が遺した不動産や預貯金などを相続した際に課税される税金であり、亡くなる前の3年以内に生前贈与を受けていた場合でも相続税の対象となります。ただし、相続税には各種控除が設定されていたり、葬儀費用などにかかった金額は相続税の対象から差し引くことができたりと、様々な税制上の優遇措置が存在していることも重要です。また、その他にも「相続税の取得費加算の特例」や「小規模宅地等の特例」といった不動産を相続した場合に適用される制度があることもポイントです。
相続税では法定相続人の人数などに応じて基礎控除の金額が決定されます。
例えば相続人が自分1人だけで親から4,000万円の遺産を相続した場合、基礎控除額が「3,600万円」となって相続税の課税対象額は「4,000万-3,600万=400万円」となる仕組みです。一方、自分と弟の2人がそれぞれ2分の1ずつ遺産を相続する場合、基礎控除額は「4,200万円」となって遺産額を上回り、相続税の課税対象額は「0円」となります。
相続税の金額は課税対象額に規定の税率を乗算し、さらに税率に応じた控除額を差し引くことで算出される仕組みです。
法定相続分の取得金額に関する税率は以下のようになります。
これにより、例えば自分1人が親から4,000万円を相続した場合、課税対象額400万円に対して税率は10%で控除額0円となるため、相続税は40万円と算出されることになります。なお、実際にはこの数字へさらに税制上の優遇措置が適用されることもあるでしょう。
参照元:国税庁|No.4152 相続税の計算(https://www.nta.go.jp/taxes/shiraberu/taxanswer/sozoku/4152.htm)
参照元:国税庁|No.4155 相続税の税率(https://www.nta.go.jp/taxes/shiraberu/taxanswer/sozoku/4155.htm)
相続税は、相続人として被相続人(故人)の死亡を知った翌日から「10ヶ月以内」に、故人が居住していた地域の税務署へ申告しなければなりません。また相続税の納税についても同様に申告期限内に完了する必要があります。
もし相続の発生した時期から10ヶ月以内に相続税を申告していたとしても、納税が期限内に行われなかった場合、納税額に対して一定の利率で延滞税が発生する場合もあるため注意しなければなりません。
なお、納税方法としてはインターネットを利用してオンラインで納付する電子納税や、クレジットカードを使ったクレジットカード納付、その他にも金融機関や税務署の窓口で現金納付するといった選択肢があります。
また相続税に関してはこれらの納付方法の他に、何年かに分けて税金を納める「延納」や、相続財産そのものを納める「物納」といった制度もあります。
参照元:国税庁|B1-2 相続税の申告手続(https://www.nta.go.jp/taxes/tetsuzuki/shinsei/annai/sozoku-zoyo/annai/2223-01.htm)
譲渡所得税は、不動産の売却によって利益(売却益=譲渡所得)が出た際に課税される税金です。すでに相続税を納めていたとしても、相続不動産の売却益が発生すれば改めて譲渡所得税がかかるため、相続税と譲渡所得税は分けて考えなければなりません。
譲渡所得は以下のように計算します。
なお、譲渡価額は一般に売却額であり、取得費は不動産の取得にかかった費用、譲渡費用は不動産業者へ支払う仲介手数料や印紙代など売却時に発生した経費となります。
また不動産を購入した時期が古すぎて取得費が分からないような場合、取得費は「売却額の5%」で計算されることもポイントです。
国税庁|No.3270 相続や贈与によって取得した土地・建物の取得費と取得の時期(https://www.nta.go.jp/taxes/shiraberu/taxanswer/joto/3270.htm)
不動産の売却については、その不動産を所有した期間によって税金の区分が設定されています。
相続によって不動産を取得した後、5年以内に不動産を売却する場合は短期譲渡所得の区分が対象です。
相続不動産を売却するに当たって、まず遺産分割協議を行った後に、被相続人から相続人へ不動産の名義変更(相続登記)を行わなければなりません。また相続人が複数存在する場合、不動産の売却に全員が同意しておくことも大切です。なお、不動産の売却に反対する相続人がいる場合、不動産の現物を相続して相続相当分を現金で支払うといったパターンもあります。
不動産売却を決めた後、業者に仲介してもらう場合、任意の不動産業者を選定して査定や購入者の募集といった流れに入ります。
譲渡所得税の申告は通常の確定申告のタイミングで行います。そのため基本的には前年に発生した譲渡所得税について、毎年2月16日〜3月15日が期間となるでしょう。なお、期間開始日や終了日が土日祝日の場合は、期間が変更になることもあります。
参照元:国税庁|No.3102 譲渡所得の申告期限(https://www.nta.go.jp/taxes/shiraberu/taxanswer/joto/3102.htm)
相続不動産の売却に関して利用できる税制上の優遇措置の1つが「相続税の取得費加算の特例」です。
これは、「相続税の申告期限(10ヶ月)の翌日から3年以内」に不動産を売却した場合、相続税として支払った金額の一部を不動産取得費に加算できるという制度です。
不動産取得費が増えれば、譲渡価額から差し引く金額が増えることになり、譲渡所得を抑えて譲渡所得税の節税につながります。
なお、この特例を利用するためには確定申告時に必要書類を添付して手続きしなければなりません。
参照元:国税庁|No.3267 相続財産を譲渡した場合の取得費の特例(https://www.nta.go.jp/taxes/shiraberu/taxanswer/joto/3267.htm)
例えば、居住していた親が死亡したことで住む人間がいなくなり、相続した不動産が空き家になる場合、「空き家に係る3,000万円特別控除(通称:空き家特例)」を利用できる可能性があります。
空き家特例は、相続不動産として空き家を売却した際の譲渡所得から、最高3,000万円までの金額を控除できる制度です。ただし空き家特例の対象となる物件には以下のような適用要件があり、全てを満たしていなければなりません。
なお、例えば被相続人が要介護認定などを受けて老人ホームなどの施設へ入所していたような場合、相続開始直前に被相続人がその建物へ居住していなかったとしても、空き家特例の要件を満たしていると判断されることもあります。
上記の他にも空き家特例の適用には「売却代金が1億円以下」といった要件が複数定められているため、詳しくは税理士など専門家へ相談することが大切です。
参照元:国税庁|No.3306 被相続人の居住用財産(空き家)を売ったときの特例(https://www.nta.go.jp/taxes/shiraberu/taxanswer/joto/3306.htm)
親の自宅などを相続によって受け継いだ後、その不動産を売却するといったケースは珍しくありません。しかし不動産の相続や相続不動産の売却には相続税や譲渡所得税といった税金がかかるため、税制に対する適切な理解や知識を備えた専門家にも相談し、節税対策も活用しながら手続きを進めていくことが大切です。